―本日はありがとうございました。ひまわりの郷の音響・照明はいかがだったでしょうか?
三谷氏:素晴らしかったと思います。響きすぎず響かなすぎず、丁度良いと思います。
―ありがとうございます。会場の雰囲気やお客さんの反応はどうでしたか?
三谷氏:とても静かに聞いていただいた印象です。感じ方は人それぞれだと思いますが、面白いなと思っていただける人がいたら嬉しいなと思います。
―プログラムはどのような意図で構成されたのでしょうか?
三谷氏:ベートーヴェンというと、悲愴・熱情・月光というプログラムは数多くやっていますが、そうではないデビュー間もない曲も、いろんなベートーヴェンの魅力が詰まっています。ベートーヴェンの意気込み、希望を感じ取っていただき、聴いていただきたいというのもありましたし、私自身も演奏会でピアノソナタ1番~3番を続けて弾くというのは初めてなので、ハイドンの前で弾いたベートーヴェンと同じような経験をしてみたかったというのもあります。初めて聴いた方もかなり多くいらっしゃると思いますが、素晴らしい作品だと思っていただけたら嬉しいです。
―ピアノの魅力について教えてください。
三谷氏:様々な表現ができ、色々な表情がだせるところだと思います。改めて演奏してみると、それを最大限に生かせるようにベートーヴェンは書いていますね。
―ベートーヴェンの魅力はどのようなところでしょうか?
三谷氏:ベートーヴェンがいた当時は、まだピアノは開発段階で完成していなかったので、新しい楽器でしたが、それに真剣に向き合っていたんですね。時代の最先端をいっていて、今でいうAIやチャットGPTみたいなものを使いこなすような感じだと思います。その中で、自然の美しさや、心の中を表現しようと目指すところがすごいですね。ただ楽しい曲を作ろうというのではなく、最初から偉大なものを作ろうとしているところがすごいと思います。当時の「売れなきゃ生きていけない」という市場原理的なことと、ベートーヴェンの崇高的な理想が両方あって、このような作品ができている。そこが面白いところです。崇高な面だけではいけないし、世俗的な欲だけではなく、ありとあらゆるものが凝縮しているから魅力があると思います。
―インタビューをご覧になっている方へ一言お願いいたします。
三谷氏:一緒にベートーヴェンの魅力をこれからも発見していきましょう!!